2011年01月16日

最近読んだ本

キャットと魔法の卵


クレストマンシーの最新刊。と言っても出たのはずいぶん前で、やっと読みました。今回はキャット少年とクレストマンシー城周辺がメインですが、ご近所の騒動が実は世界の隠された事実と繋がっていて、それがまたキャット自身も知らなかった能力の発露に繋がっていて・・・というお話。
このシリーズはどれも面白いですが、今回も外さず。児童文学で介護問題までさらりと入れてくるところはさすがというか。重くならずに問題提起できるのはファンタジーの強みでしょうか。
今回でキャット周辺の役者が揃ったので、ぜひとも続編が読みたいところです。クリストファーみたいに15歳くらい、クレストマンシーになった大人のキャット、と書いてくれないかなあ。実写化も一度観てみたいです。DWJは作品量のわりに映像化が少ないし・・・。

最後のウィネベーゴ


特別ファンというわけでもないけど、なんとなく読んでしまうのが宮部みゆきとコニー・ウィリス。読みやすいんですよね。で、これはウィリスの中短編集。
「女王様でも」がお気に入り。女性ならではのテーマを皮肉をきかせつつもSFとして上手く料理しています。世間がなんと言おうと、アレは無い方がいいに決まっている!
posted by alek at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月09日

『拷問者の影』『調停者の鉤爪』(新しい太陽の書)

ジーン・ウルフ「新しい太陽の書」1,2巻です。長らく部屋に積んでありましたが、年末にまとめ読み。主人公がやたらもてまくりなところも含めて王道ヒロイックファンタジーでありつつも、滅びゆくどこかの惑星を舞台にしているSFでもあり、そこかしこにほのめかしや伏線が散りばめられていて、ぼんやり読んでいてしばしば迷子になってしまいました。間違いなく要再読な本。最終巻までたどり着いたあと、3回くらい読まないと理解できなさそう。
1,2巻は主人公セヴェリアンの少年時代と旅立ち、恋人との出会い、その他諸々。「その他」ってなんだよ!と自分でも思うけど、抽象的な出来事や挿話が多すぎて、今後どんな形で絡んでくるか見当がつかないのです。恐らくストーリーそのものは王道だろうから、セヴェリアンが惑星を救う救世主になるのでしょうけど。本格的な幻想譚が読みたい人にはオススメ。





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2010年12月28日

エステルハージ博士の事件簿

「事件簿」と銘打っていますが事件は解決したりしなかったりします。冒険譚や推理小説ではなく、事件を背景に落日間際の架空の東欧の小国をエステルハージ博士と共にさ迷い歩く、というようなお話。しばしば作中で脱線して語られる大量の蘊蓄もあいまって、煙に巻かれたような、きつねにつままれたようなふわふわした気分のまま読んでいて、途中さっぱりわけがわからないんだけど、最後まで読むと存在しない滅びゆく国の運命に想いを馳せて切なくなってしまうという。デイヴィッドスンの弱者への目線の温かさのせいでしょうか。
なお、短編集ではなく連作なので、巻末解説の通り最初から順番に読まないと味わいが分からない仕組みになっています。


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2010年09月11日

蒸気駆動の少年



解説より「スラデックはたぶん天才だったのだが、才能の使い道をまったくわかっていなかった」。的確すぎるこの一言によって全てが集約されている短編集。
スラデックという人はいろんなジャンルの作品を書いた人で、それぞれが少しずつ紹介されています。というわけで、興味のないジャンルの話にはいまいち乗れず、自分でも面白いんだか面白くないんだか決められない本でした。表題作はタイムパラドックス(タイムトラベル)ものですが、オチがあさっての方向に飛んで行ったのにはあっけに取られました。こういうのは好きです。
あとは閉塞した日常を描いた「高速道路」、見捨てられた人々へ眼差しを向けた(でもファンタジーは拒否する)「ゾイドたちの愛」、「ヘンゼルとグレーテル」の凶悪なパロディ「血とショウガパン」あたりがお気に入り。
posted by alek at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

『ともしびをかかげて』上下『辺境のオオカミ』(ローマンブリテン四部作)

ローマンブリテン四部作、すべて読了。どれも若者の挫折と成長を、友情と民族間の衝突と相互理解を絡めて描いたものでした。
熱くて苦く、大人向けも真っ青のシビアなストーリーは「守り人」シリーズとか「ガンバの冒険(原作)」を彷彿とさせるなあ、と思いながら読んでいたら、上橋菜穂子さんが解説書いてらっしゃって納得。ただ、英国人作家らしく、全体的にあっさりとしていて読みやすいです。
個人的な好みを言えば、時代設定として難しいのはわかるんだけど、もう少し女の子成分が欲しかったです(笑)。

『ともしびをかかげて』上下



これは渋い。大河ドラマですね。「岩波少年文庫」よりもむしろ「岩波文庫」向けなのでは。疲れている日本のお父さんに読ませるべき。どっしりとした読みごたえのある名作であり、一人の青年の一代記としても優れています。

『辺境のオオカミ』


先の三作から約20年後に書かれたということで、ベテランによる安定した面白さがあるかと。これも『ワシ』と同じく逃避行がメインなのですが、英雄譚的なところがあるせいか楽しく読んでしまいました。主人公が素直いいとこのお坊ちゃんで、読者として受け入れやすいというところはあるかも。そういう意味ではキャラクター小説としてもよくできているかな。
posted by alek at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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